発行:2019年3月
こんにちは!厳しい冬の寒さも過ぎ、春らしくなってきました。今、これを書いております部屋の窓からは、いたち川沿いの桜の木が見えますが、枝にはつぼみがつきはじめ、冬の寒さにもただじっと、力強く頑張っていた姿が尊く感じます。さて、ニュースでは連日、幼児虐待や殺人などの悲しい事件を目にします。核家族化など社会の変化によって私たちの自己中心的な思い(エゴイズム)はどんどん強固になり、地域や親類とのつながりは気薄になる一方です。それによって生じた見えない影の中で苦しむ人が増え続けています。そんな中で起きてしまった様々な悲しい事件において、被害者の方はもちろんですが、加害者になってしまった人も、大きな視点で見たときには、この時代、この社会のどちらも被害者なのではないかと思うのです。そして、そんな歪んだ時代を生み出したのはこの私たち自身であります。仏教では「自分と他人とを区別しない」ものの見方、そして、「他者に寄り添い、慈しみ、共に歩む」とゆう姿勢を大切にし、目指していきます。さあ、私たち一人一人が何を考え、行動していけるでしょうか?!新たな時代(心豊かな未来)を創り、築いていくのも今を生きる私たちであります。仏さまの智慧と慈悲の御心を仰ぎ頑張っていきます。 南無阿弥陀仏 合掌 弦
一切(いっさい) 衆生(しゅじょう) 悉有(しつう) 仏性(ぶっしょう)
先月号ではお経本についてのお話をさせて頂きましたが、ではお経本にたくさん載っている中からどのお経をお勤め(読経)させて頂きましょうか?まずは、やはり浄土真宗において最もよくお勤めされる『正信偈(しょうしんげ)』(正式には『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』)でしょう!お坊さんが伺っての月参りなどの他にも、年忌のご法事や、お葬儀においてお勤めされています(地域差など例外もあります)。「き~みょ~ぅ む~りょ~ぅ じゅ~にょ~ら~い~(帰命無量寿如来)(きみょうむりょうじゅにょらい)」と始まっていきますね。
『正信偈』は、宗祖・親鸞聖人(しんらんしょうにん)が浄土往生(じょうどおうじょう)の真実のみ教えについて明らかにされたご著書『顕浄土真実実教行証文類(顕じょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい)』(略して『教行証文類(きょうぎょうしょうもんるい)』『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』)に収められており、一句7文字×120句の計840文字から成り立っています。愚かな私などは『正信偈』でも「ちょっと長いな」なんて思ってしまうこともあるのですが、『教行証文類』という圧倒的ボリュームを持つご書物の中においては、ほんの一部に過ぎません。浄土真宗の教義の構造はそれだけ複雑だということなのですが、『正信偈』の840文字にはその教えの肝要が詰まっているのであります。
さて、この『正信偈』には、本願寺派(ほんがんじは)(お西)では現在読み方(節(ふし))が3種類(実際には4種)ありまして、私たちが日常に用いているお経本にはその内の2種(草譜(そうふ)と行譜(ぎょうふ))が載っていますが、通常は草譜をお勤め致します。ここでちょっとお経本を開いてみて頂きたいのですが、途中の「善導独明仏正意(ぜんどうどくみょうぶっしょうい)」から文字の左横に謎の記号が現れますね。この記号(ハカセといいます)の意味が分からなくて、そこでもう読むのを諦めて止めてしまう方が多くいらっしゃるのですが、この記号は草譜では関係ないものなので無視して良いのです!(右の「引」や「下ル」だけ見ます)もし、お一人でのお勤めで読み方が全く分からなければ棒読みで全く構いませんし、お坊さんが一緒のときでしたら間違われても問題ありませんから、どうぞ大きな声でお勤めされて下さいね!そして、お勤めの際には何より忘れてはならぬことがありましたね。最初と最後には合掌して「南無阿弥陀仏(のもあみだぶつ)」と御恩報謝(ごおんほうしゃ)のお念仏を申させて頂きましょう。
「南無阿弥陀仏」は阿弥陀如来(あみだにょらい)そのもの。仏さまは今日も私に寄り添って下さっています。 なもあみだぶつ♪
浄土真宗の宗祖・親鸞聖人が29才のときに出会い、生涯ずと師と仰がれたのはどなたでしょう?!
1.レオナルド・ダ・ヴィンチ 2.手塚 治虫 3.法然房 源空
先月の答えは「2.京都の比叡山」でした!