G-TIMES 第102号 – 浄土真宗本願寺派 新井山 願海寺 浄土真宗本願寺派 新井山 願海寺

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願海寺新聞

G-TIMES 第102号

発行:2022年4月

こんにちは!
厳しい寒さの冬が終わって、いよいよ春が訪れてくれました。しかし、世の中の状況は暗くなるばかりです。このままでは、人類が滅亡してしまう日もそう遠くないと思わされてしまいます。
「仏さまはプーチンをやっつけてくれないの?」と何度かご門徒さまから聞かれました。仏さまは私たちをお導き下さる「教え」というおはたらきでありますので、誰かに罰を与えられる存在ではそもそもないのです。
では、私たち仏教徒はどうしたら良いのか?遠くの平穏を思うならば、まずは近くの人たちを思い、寄り添っていこうとすることでしょう。
人を害せず、思いやりの心を持って接する。その小さな行いも必ず連鎖して、また次の人たちへとつながっていきます。それは「世界の平和」という大きな理想への確かな道なのです。
親鸞聖人はお手紙の中で「ご自身が確かに往生していけると思う人は、仏さまからの御恩をよくお思いになって、世の中が平穏であるように、仏さまの教えが広まっていくようにと思ってお念仏を申して下さい」とおっしゃっています。お念仏に照らされ、育まれていく心を大切にさせて頂きます。

合掌

花は咲く縁が集まって咲き、
葉は散る縁が集まって散る。
ひとり咲き、ひとり散るのではない。
『勝鬘経』

『お釈迦さまを釈尊って呼ぶのはなぜ?』

普段から何気なく「お釈迦さま」とお呼びしている方が多いと思いますが、その呼称は他にもいろいろとございます。
まず、仏教の世界では主に「釈尊」とお呼びしています。これは、「釈迦族出身の聖者」という意味の「釈迦牟尼世尊」と呼ばれたことから、それが略されたものです。
続いて、「お釈迦さま」と同じくらい「ブッダ」という呼称もよく聞きますね。これはサンスクリット語のbuddhaが語源で、中国語に音訳され「仏陀」と表されました。
buddhaとは「目覚めた人」という意味です。つまり、お悟りに達した方はどなたも「ブッダ」というわけですね。たとえば、阿弥陀仏は「Amida Buddha」となります。
他にも、浄土真宗で最もよくお勤め(読経)される『正信偈』には「釈迦如来」と出てきますね。「如来」とは「真如(悟りの世界)より来る」ということです。

ところで、「仏」という字は旧字では「佛」と書きます。よく似た字に「沸騰」の「沸」という字がありますね。
この字のつくりの「弗」は漢文では「アラズ」と読むそうで、意味は「否定(~ではない)」を表すそうです。つまり、「沸」は、水を沸かすと蒸気になるので、水でありながら水であらざるものとなります。同じように「佛」はもとは人間であるが人間ならざるものという意味だそうです。
(『大漢和辞典』作者の諸橋轍次先生の推定)

以上、お釈迦さまのさまざまな呼称から代表的なものをご紹介致しました。
いずれにせよ、お釈迦さまは私たちの信仰する仏教という宗教のご開祖ですから、呼び捨てにすることは慎むべきです。固い呼称を用いる必要はありませんが、お敬いの心を持ってお呼びするよう努めていきたいものであります。
ちなみに、私個人は「お釈迦さま」とお呼びすることが多いです。

なもあみだぶつ♪

クイズ

伝承では、4月8日がお釈迦さまのお誕生日とされます。
では、そのお祝いとして日本で営まれている行事はどれでしょう?

1.祇園祭
2.花まつり
3.となみチューリップフェア

☆先月の答えは「③天井天下唯我独尊」でした!

僧侶似顔絵
村上 巧弦
願海寺新聞